9月
03
2010
【日記】9/1(水) 洋食屋さん
By admin
真夏の、屋外のプールそこがきみの居場所だった真夏の、屋外のプールサイドそこが僕の特等席だった僕たちは高3で、大学受験を控えていたから、今年の夏が最後の部活動だった僕は泳げもしないくせに水泳部に入った3年間のエンドロールをきみは去年、惜しくも優勝を逃した全国大会のラストチャンスをおなじ場所で迎えようとしていた「おい、三ツ矢」不遜な言い方で、きみは僕に話しかけるデッキブラシで見えない汚れをこすっていた手をとめるプールサイドの僕プールの中のきみその距離わずか5メートルでも絶対に近づけない、距離白のキャップにゴーグルをひっかけ、きみが僕をみている心拍数が上がるのを、僕は止められない「なに」「サイダー買ってこいよ、三ツ矢サイダー」「わかった」僕はコンプレックスの元だった自分の苗字を大好きになる日がくるなんて、きみに会うまで知らなかったから喜んでデッキブラシをかたづけ、財布を手に自動販売機にむかうのだきみ出会いSWEETが僕とおなじ名前のサイダーを飲んで、日々何千キロという恐ろしい数字を、美しいフォームで泳ぎ続けるさまを、3年間、みめてきたどうか、あの流星のような美しい人が、今年こそ優勝できますように
